鯨食害論に終止符を打つ! - クジラと漁業の関係を徹底検証

捕鯨推進派のTwitterやブログなんかを見ていると、未だに「クジラが増えすぎて生態系が壊れる」「クジラが魚を食い尽くす」といった意見が見られます。 非常に嘆かわしいことです。 というのも、この鯨食害論と呼ばれている言説は、反捕鯨派によって既に様々…

著名な倫理学者ピーター・シンガー氏は、日本のIWC脱退をどう見るか

Peter Singer(ピーター・シンガー)氏は、応用倫理学の世界的権威として知られており、2005年にタイム誌によって世界の最も影響力のある100人にも選ばれた著名な倫理学者です。 彼自身は動物の権利論や菜食主義思想の新たな枠組みとして独自の道徳規範を提…

2018年度IWC総会 「フロリアノポリス宣言」の和訳

2018年度IWC総会にて採択された、"THE FLORIANÓPOLIS DECLARATION ON THE ROLE OF THE INTERNATIONAL WHALING COMMISSION IN THE CONSERVATION AND MANAGEMENT OF WHALES IN THE 21st CENTURY"の和訳です。 ソース: iwc.int 商業捕鯨モラトリアムの必要性や…

ライントランセクト調査による個体数の区間推定5

さて、$ \hat{w} $、$ n $、$ \bar{s} $の分散をそれぞれ考えてきました。また一番最初の記事で紹介した Var[D] \cong \left( \frac{n \bar{s}}{2L \hat{w}} \right)^2 \left(\frac{Var[n]}{n^2} + \frac{Var[\hat{w}]}{\hat{w}^2} + \frac{Var[\bar{s}]}{\b…

ライントランセクト調査による個体数の区間推定4

今回は$ \bar{s} $の分散について説明します。 まず、何も調整を行わずに、単純に得られたデータの群れサイズを平均する場合です。この場合は、 \bar{s} = \frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} s_i とするだけです。siはi番目の群れサイズを表します。分散は、 \begin…

ライントランセクト調査による個体数の区間推定3

さて今回は発見群数$ n $の分散について考えようと思います。 まずは皆さんに問題です。ある海域において、1kmのライントランセクト調査を行った翌日、同じ海域で2kmの調査を行ったとします。ただし、天候や有効探索幅などの条件はすべて同じであると仮定し…

ライントランセクト調査による個体数の区間推定2

前回の記事の続きです。今回は$ \hat{w} $の分散を考えます。そのために、前回扱ったデルタ法を一般の二変数に拡張してみます。 確率変数$ X_1,X_2 $があり、それぞれの期待値を$ \mu_1,\mu_2 $とします。それらを説明変数とした任意の関数$ f(X_1,X_2) $の…

ライントランセクト調査による個体数の区間推定1

ライントランセクト調査において、個体数密度の点推定値は以下のように与えられます。 \hat{D} = \frac{n \bar{s}}{2L \hat{w}} \tag{1} ここで、$ n $は発見群数、$ \bar{s} $は調整された群れサイズ平均、$ L $は調査コースの全長、$ \hat{w} $は有効探索…