2018年度IWC総会 「フロリアノポリス宣言」の和訳

2018年度IWC総会にて採択された、"THE FLORIANÓPOLIS DECLARATION ON THE ROLE OF THE INTERNATIONAL WHALING COMMISSION IN THE CONSERVATION AND MANAGEMENT OF WHALES IN THE 21st CENTURY"の和訳です。

ソース:

iwc.int

 

商業捕鯨モラトリアムの必要性や、21世紀の国際社会におけるIWCの役割などが記載されています。

稚拙な和訳ですがご了承ください。誤訳などありましたらコメント欄にてご指摘いただけると幸いです。

フロリアノポリス宣言(和訳: Kogia_sima)

国際捕鯨委員会(IWC)が鯨類保護や捕鯨管理の役割を担う中心的な国際機関として広く認識されている一方、

鯨類研究や管理の代替的手法又は鯨類資源の持続的な利用の発展、及び国際捕鯨取締条約(ICRW, 1946〜)の制定以来の数多くの国際法の制定によって、委員会は、鯨類保護に向けた多くの解決策及び鯨類資源の非致死的管理を含む多様な附表修正、並びに海洋生態系における重要な生態的役割や炭素循環への貢献を満たすための健全な鯨類資源の維持に関する役割を担うことを認識し、

生存的文化的目的により鯨類に依存している先住民の需要を支援することの重要性を(加盟国が)認めているにも関わらず、鯨類やその生息域の保護に関する幅広い人々の関心を満たすことにおいては、IWCの権利の使用方法について加盟国間で意見が分かれていることを認め、

鯨類の非致死的利用に関する決議(Resolution 2007-3)を再考し、鯨類が生態系において重要な役割を担い、また自然環境や人々に利益をもたらす存在であって、さらに持続可能な非致死的・非抽出的な利用が急速に高まりつつあり、これらが発展途上国を中心として世界中の沿岸地域共同体に大きな社会経済的利益をもたらしていることを認め、

1986年に施行された商業捕鯨モラトリアムがいくつかの鯨類の個体群の回復に貢献していることを再確認し、漁網への絡まり(entanglement)、混獲、騒音、船舶との衝突、海洋ゴミ、及び気候変動など、鯨類に対する過去及び現在の脅威が累積していることを認識し、

沿岸地域共同体に対して科学的知見、事業、収益をもたらす非致死的な活動が行われている海域において、締約国政府の大多数の支持のもと、ICRW第5条に従って加盟国から頻繁に鯨類サンクチュアリが提案されていることを確認し、

さらに国際捕鯨委員会の独立審査に対する回答に関する決議(Resolution [2018-X])を確認する。

これらの前提のもと、委員会は、

鯨類の個体数を近代捕鯨以前の水準まで回復させることの責任を含む21世紀の国際捕鯨委員会の役割に同意し、この背景のもと商業捕鯨モラトリアムの重要性を再確認し、

現代において鯨類の非致死的調査法が多数存在することを認め、またそれによって致死的な調査法の適用が不必要であることに同意し、

漁師の安全や鯨類に対する動物福祉のため、先住民に利益をもたらす先住民生存捕鯨IWCにより管理・保護されるように努め、

Resolution [2018-X] に従ってOEWG(Working Group on Operational Effectiveness)により提案された計画を実行する際、鯨類の保護資金の必要性や非致死的管理に係る問題を考慮に入れるよう各小委員会等に指示し、

移動性野生動物種の保全に関する条約委員会の2017年の第12回総会において採択された、南大西洋における鯨類及びその生息域の管理と保護に関する決議の内容を確認し、南大西洋沿岸各国に対してサンクチュアリの適正な施行のために協力を依頼し、

持続可能な非致死的利用の推進などの鯨類保護活動を連携させるため、生物の多様性に関する条約、移動性野生動物種の保全に関する条約、南極の海洋生物資源の保存に関する条約、および世界観光機関など、関連する他の条約や組織とのさらなる協力を求めるよう事務局に依頼し、さらに

この宣言の内容が、国際連合事務総長、国際連合総会、国連環境計画、移動性野生動物種の保全に関する条約、生物の多様性に関する条約、南極の海洋生物資源の保存に関する条約、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約海洋法に関する国際連合条約、その他委員会で一般的な議論や協力が行われているような国際条約に取り入れられるよう、事務局に依頼する。

本文を引用する際は、なるべく原文の該当する部分も併せて載せるようにお願いします。